資産運用の勉強をはじめると、耳にする「セクター投資」「セクターローテーション」
イマイチよくわからない‥‥。
- そもそも株式におけるセクター投資ってなに?
- セクター投資は損しにくいって本当?
- セクター投資のやり方をわかりやすく教えて
今回はそんな疑問を解消して、これから伸びる日本株をセクター投資の観点から発掘してみよう!という記事になっております。
セクターが同じ銘柄は似た株価の動きをしやすいので、やり方のコツやポイントをマスターすれば、損失回避できる確率もグッと上がりますよ。

セクター投資のコツをゲットして損失回避するぞ!
セクター投資とは?わかりやすく解説
株式におけるセクターとは、共通の特徴を持つ企業を業種やテーマなどでグループを分けしたものです。
たとえば、みずほ銀行や楽天銀行なら銀行業。
ANAやJALなら空運業など。
そしてセクター投資を成功させるやり方のポイントはこちらです。
セクター投資の成功には<これからの日本の景気はどうなる?>×<為替の方向性>×<ビジネスの基盤はどこ?>の3つを検討すること
まずは、業種ごとのセクターにはどんなものがあるか把握しておきましょう。

ここではセクターの種類をザッと知るだけでOK
- 東証業種別株価指数→TOPIXの構成銘柄を33の業種別に分類したもの(1番ポピュラー✨)
- TOPIX-17→33業種を17業種へさらに分類したもの
- 業種別日経平均株価(業種別日経平均)→日経500種の平均株価の銘柄を36業種に分類したもの


いろんな業界をセクター分けできるのね
セクターが同じ銘柄は似た値動きをする傾向が多いので、特定の市場動向や経済状況に応じて、「どのセクターが成長するか」を見極めやすくなります。
セクター投資のメリットとは?日本の景気から銘柄選びができる
セクター投資をするメリットは主に3つあります。
具体的なメリットの説明は以下になります。
<メリット>景気に合わせて、投資戦略を立てれる
実は業界セクターごとに「景気の敏感度」が違うのをご存知でしょうか?
- 景気敏感セクター(経済の良し悪しによって、株価に影響が出やすい)
- ディフェンシブセクター(経済の良し悪しによって、株価に影響が出にくい)
景気の影響を受けやすいセクターを景気敏感セクター。
景気の影響を受けにくいセクターをディフェンシブセクターと呼びます。
景気の状況に合わせて特定のセクターを購入し、株価の成長を狙う投資戦略を立てるときにセクター投資は向いています。

景気の流れを見ながら、どの業界のセクターから利益がでそうか予測するのね
ディフェンシブセクター | 特徴 |
ヘルスケア | 医薬品や医療サービスは常に必要なもの。 景気に左右されにくい |
公益事業 | インフラの需要は不景気でも安定している傾向 |
通信サービス | インターネットなどの通信は不況でも左右されにくい |
生活必需品 | 食品や飲料や日用品は景気に関係なく需要がある |
不動産(REIT) | 住宅の家賃収入は景気の変動に左右されにくい ※オフィスビル家賃収入は影響を受けやすいので注意 |
景気敏感セクター | 特徴 |
金融 | 景気拡大すると企業への貸出は増えて、 銀行の利益が出やすい |
エネルギー | 景気回復でエネルギーの需要が増えると業績は上がる。一方、不景気のときは設備投資する企業が減り、 業績落ちる傾向 |
IT | 景気拡大時に企業のIT投資が増えて成長できる |
資本財・サービス | 景気がいいと企業が設備投資を始めるため、その恩恵を受けて成長する |
素材 | 建設や製造業が活発になると原材料の需要が増加する |
一般消費財・サービス | 景気がいいと娯楽や高級品を購入する人が増える |
<メリット>業界ごとの利益を狙える&リスク分散できる
「今の景気」と「将来の景気」を考慮しながら、セクター(業界)の特徴ごとにセクター比率を調整できるのでリスク分散がしやすくなります💡
たとえば、景気拡大時は「景気敏感セクター」を増やす。
景気後退時は「ディフェンシブセクター」を増やすなどでリスクを上手に分散していきましょう。
さらに長期保有前提でセクター投資を考える場合は、景気が拡大してきそうなタイミングで利益を期待できる景気敏感セクター(IT・金融・消費財など)を購入するのもおすすめです。
(※景気拡大時とは、これから景気が良くなること)
一方で、景気に左右されにくいディフェンシブセクターの長期保有を考えてる場合は、安定性や配当を重視した生活必需品・ヘルスケア・公益事業あたりが安定してておすすめ!
為替から読み解く日本株のセクター投資のポイントとは?
セクター投資では円高か?円安か?も重要なポイントになってきます。
円安に強いセクターや円高に強いセクターなど、それぞれ特徴があるのでしっかり確認していきましょう💡
円安に強いセクターは?
円安が有利にはたらく企業は、海外で大きな売り上げを上げている輸出中心の企業になります。
円安に強いセクター | 代表的な企業 | 特徴 |
自動車 | トヨタ・ホンダ・日産 | 輸出比率が高い |
電機・精密機器 | ソニー、パナソニック | 海外販売比率が高い |
半導体・電子部品 | 東京エレクトロン、ローム | 輸出が多い |
素材・化学 | 信越化学、旭化成、住友化学 | 輸出が多い |
観光・インバウンド系 | JAL、ANA、HIS、リクルート | ホテル・航空・小売業が好調な傾向 |
円高に強いセクターは?
円高が有利にはたらく企業は、輸入で仕入れコストが下がり、利益が増加になる輸入中心の企業になります。
円高に強いセクター | 代表的な企業 | 特徴 |
電力・ガス・エネルギー | 東京電力、大阪ガス、ENEOS | 輸入燃料が安くなり、コストが浮く |
小売・外食 | セブン&アイ、マクドナルド | 輸入品の仕入れコストが下がる |
陸運・物流 | 日本郵船・商船三井・ヤマト | 燃料が安くなり、利益率が上がる |

為替の流れに注目しながらセクターを選ぼう
ビジネスから読み解く日本株セクター投資のポイントとは?
セクター投資でリスクを分散したり、高いリターンを狙えたりと嬉しいメリットがあります。
しかし、一筋縄でいかないのが株式投資。
ここからは、セクター投資の成功率を上げるビジネス目線でのポイントを解説します。
- 内需セクター(国内向けビジネスが中心で、国内景気が好調なときに業績が拡大する企業のこと)
- 外需セクター(海外向けビジネスが中心で、輸出関連企業を指すことが多い)
その企業のビジネスのフィールドのメインが国内か国外かによって投資で見るポイントは変わってきますよ。
たとえば、国内向けビジネスがメインなら内需セクター。
海外向けビジネスがメインなら外需セクターと分類されます。
内需セクターの例:小売業(スーパー・コンビニ)、食品・飲料などの生活必需品、金融、不動産、通信、インフラ、電気・ガス(公益事業)、建設、住宅、医療、ヘルスケア
→ディフェンシブ銘柄が多く該当しやすい傾向!
外需セクターの例:自動車、電機・精密機器、半導体・電子部品、素材・化学、資本財・重工業(機械・造船・航空)、エネルギー(商社・資源関連)、海運・物流
→景気に敏感銘柄が多く該当しやすい傾向!

投資先の企業が海外向けビジネスなのか、国内向けビジネスなのかをチェック
セクターローテーション投資とは?わかりやすく解説
セクターローテーション投資とは、景気の流れ(景気サイクル)によって特定のセクターに資金を移動させ、高いパフォーマンスを得るやり方です。
株式相場は、景気サイクルよりも6ヵ月ほど早く動く習性があることをご存知ですか?
その習性を利用して、セクターをローテーションさせながらリターンを上げていくのがポイントなのです。

たとえば、景気には波があり、好景気と不景気を繰り返しながら経済は成長します。
日本の四季のように「好況→後退→不況→回復」の4つが順番に訪れ、繰り返していくと言われています。

景気サイクルを考えながら、どのセクターに投資していくか考えるのね
具体的な株式相場と景気サイクルの動きはこのような感じ。

さらに、セクターローテーション投資のやり方は過去のセクター別リターンを参考にするのをおすすめします。
理由は、より具体的な傾向を掴めるから。
「セクターローテーション」「過去のリターン」と入力すると、年代別のセクターリターンが調べられるので検索してみてください。
【セクターローテーション参考資料(SBI証券サイト)】
「20XX年は、このセクターが強かったんだ」→なぜ、このセクターが強かったのか?を考えるクセをつけると、自分の投資スタイルがわかってきますよ。
<実践>セクター投資のやり方4STEP
ここからは実際にセクター投資のやり方をマスターしていきましょう。
セクター投資の成功には<日本の景気はどうか?>×<為替の方向性>×<ビジネスの基盤はどこか?>の3つあわせて検討すること
- 今の景気状況はどうか?を考える(好景気か不景気かで伸びる企業をチェック🔍)
- ビジネスの基盤は海外か?国内中心か?を考える(その企業のビジネスメインはどこ?輸出が多い?輸入が多い?)
- 金利・為替の状況は?を考える(円高傾向?円安傾向?関税問題は影響しそう?)
- セクターを絞って自分なりの分析と予測をする(どの業界セクターに投資するか決定⇨その企業の業績を調べる)
以上の項目をチェックする4つのやり方で、これから伸びそうな銘柄を発掘してみましょう。